書評:iOS SDK Development

iOS SDK Development

iOS SDK Development

iPhoneアプリの開発を担当しそうな気配を感じ取ったので、8月後半からぼちぼち読み始めていた。実際に10月から担当することが確定してからは2週間くらいちゃんと読み始めて、いまようやく6章/10章が終わったところ。もう10月になっちゃうので、いったんここまで読んだ感想をまとめておきます。

おおまかな内容(6章までだけど)

  • まずツイートアプリを作る。途中、iOS6から導入されたSocialフレームワークやAuto layoutの説明が入る。i18nについてもふれる。
  • ツイートアプリを改修しながら、Obj-Cについて学ぶ。GCDも出てくる。本書はARCを使うためメモリ管理についてはそんなに詳しくなさげ。
  • レシピアプリをStoryboardsなしで作る。Interface Builderの使い方を学ぶ。
  • レシピアプリをStoryboardsを使って作りなおす。ナビゲーションも出てくる。

※7章以降はiCloudとかアニメーションとかテストの話が出てくるらしい

iOS6, iPhone5に対応済み

本書を読んでる最中にiOS6、iPhone5がリリースされた。僕の場合は、AmazonではなくPragmatic Bookshelfここ)で買ったんだけど、iPhone5が発売されてからたった数日で本書のアップデートが行われた。6章までだけど、たしか以下のポイントについて変更されていたような気がする。

iPhoneアプリの開発環境は目まぐるしく変化するから、自動アップデートがない紙の書籍はすぐに使えなくなってしまう。初心者であるほど、古い環境と新しい環境をアタマの中で置換しながら本を読んでいくのは難しい。なるべく電子書籍を買って、最新の情報にもとづいて勉強した方がいいと思う。

テンプレートに頼っていない

これがとてもいいと思った。初心者向けの参考書にありがちなXcodeのテンプレート頼りなサンプルコードは一切ない。すべてのプロジェクトはまず「Single View Application」で作成する。その後、Storyboardsを使ってナビゲーションを追加する(残念ながら今のところタブは出てきてない)。テンプレート頼りなサンプルコードを見て勉強したところで、いざ実践に入ったときにすぐに限界が来るのではないかと思った。Rails初心者がScaffoldから始めたせいで、脱Scaffoldが最初の関門になる感じに似ている。

本書にしたがって実際にプロジェクトを進めていけば、View Controllerを追加し部品をその上に乗っけてSegueでつなげてナビゲーションにはめ込むような作業がおのずと身につく。とても実践的な知識が身についてよかった。

英文を読むだけの価値は十分にある

本書は英語で、しかも中身が詰まっていて、読み進めるのがしんどい。でも、この本には「最新」かつ「実践的」な情報が詰まっているので、本屋に並んでいるような初心者向けの本よりはるかに役に立った。英語というハードルを考えても、これは読む価値のある本だと思った。