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「すごいHaskell たのしく学ぼう!」を読んだ

すごいHaskellたのしく学ぼう!

すごいHaskellたのしく学ぼう!

本書は一度は8章あたりで挫折したが、今回13章あたりまで読みファンクタ―、アプリカティブファンクタ―、モノイド、モナドといった概念がなんなのか理解とまでは言えないけど知ることができた。

一度は挫折したが今回またリベンジしようと思った理由は、今後モバイルアプリを開発していくにあたって関数型プログラミングの概念を理解して採り入れていくことが必要になってくると思ったからだ。Swiftletによる不変型の宣言やOptional型などの文脈付きの型など関数型プログラミング言語としての側面をもっていると思う。また、データバインディングSwiftBond/Bondなど)やJSONのパース(thoughtbot/Argoなど)といった場面で関数型プログラミングの概念が登場してきている。Swiftのポテンシャルを最大限に発揮して、堅牢で生産性の高いコードを書くには関数型プログラミングの知識が必要になってきていると最近感じている。

本書を読んだ結果として、データの構造について新しい視点を得ることができた。MaybeEitherといった概念を"文脈"と呼んでいるのが自分の中にはなかった発想だった。例えば、MaybeMaybe Intを区別して考えるのはとても抽象的だけど強力な考え方と思った。Maybeは「あるかもしれないし、ないかもしれない」という文脈を表し、Maybe Intは「Int型かもしれないし、何もないかもしれない」型を表している。これらを分けることで、文脈を保ったまま計算するという発想が出てくるのだと思う。文脈を保ったまま計算する段階として、本書ではFunctorApplicative、そしてMonadが登場してきた。

Swiftでは、Haskellにおける型コンストラクタにあたる概念がない。Genericsを使うことでMaybeのような型を表現することはできるが、ある型が型引数をとるのかとらないのか、とるとしたらいくつとるのかを知る術はない(はず)。Haskellではそれらは種類という概念で説明されている。Maybeの種類はMaybe :: * -> *だし、Eitherの種類はEither: * -> * -> *となっているので、それぞれ型引数を1つと2つとることがわかる。HaskellFunctorは種類が* -> *の型コンストラクタしかインスタンスにできないのだけど、こういう概念をSwiftで表現できない。

というわけで、Swift関数型プログラミングをするにはHaskellほどうまくはできないことがなんとなくわかった。Genericsなどで擬似的に表現するしかない。Functorfmapを以下のように実装してみた。

extension Optional {
    func fmap<U>(f: T -> U) -> U? {
        switch self {
        case .Some(let value):
            return f(value)
        case .None:
            return .None
        }
    }
}

let maybeOne: Int? = 1
let maybeTen = maybeOne.fmap({ x in x * 10 })

SwiftOptional<T>型はつまりT?型のことなのだけど、Optional型を拡張してfmapを追加している。return f(value)のところは暗黙的にU?型にラップしている。このように実装することで、Optional型のもつ「あるかもしれないし、ないかもしれない」という文脈を保ちつつ、中身の1というIntを計算している。

ここではFunctorだけを簡単に実装してみたが、これに加えてApplicativeMonadを実装するとより抽象的な計算が可能になってくる。JSONのパースなどを実装する際にはApplicativeの操作が必要になってきそうな感じがする。自分はまだ関数型プログラミングの実装を実際にしたわけではないので、理解したとは到底いえない。パーサーの実装をしてみたり、上で紹介したライブラリのコードを読んでみることで関数型プログラミングを実践的に理解していきたい。